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機械作業のケガを防ごう!(安全ミニ通信310号)

更新日: 安全ミニ通信
私たちの生活を豊かにし、生産性を向上させる機械は、時にその強力な力で私たちに牙を剥くことがあります。特に、長年同じ作業を続けていると、「これくらいは大丈夫だろう」という「慣れ」からくる油断が、思わぬ事故へとつながるケースが少なくありません。夏場の暑さによる集中力の低下や、繁忙による疲労の蓄積も、判断ミスを誘発する要因となり得ます。今回は、日々の業務で安全に機械と向き合い、大切な命と健康を守るために、今一度見直すべきポイントを紹介します。

(印刷は下記のPDFをご利用下さい。)

  機械作業のケガを防ぐポイント

機械作業における事故は、一瞬の不注意や誤った判断から発生します。しかし、その多くは適切な知識と意識を持つことで未然に防ぐことが可能です。ここでは、主要なポイントを押さえつつ、なぜそれが大事なのかを説明します。

1. 作業着・保護具を正しく着用する

作業着や保護具は、単なるユニフォームではありません。これらは、機械作業の危険から身を守るための「最後の砦」です。しかし、その重要性が理解されていないと、着用がおろそかになりがちです。
・袖口は一番上までしっかりと留めましょう
袖口が開いていると、回転する機械に巻き込まれる危険性が高まります。特に、旋盤やボール盤のような回転体を扱う機械では、わずかな布地のたるみが重大な事故につながる可能性があります。常に袖口をしっかりと留め、だらしない状態での作業は絶対に避けましょう。
・上着の下にシャツを出さないようにしましょう
上着の裾やシャツがはみ出ていると、これもまた機械への巻き込みの原因となります。特に、機械の可動部分や回転部分の近くで作業する際は、衣服が引っかからないよう、身体にフィットした作業着を着用し、余分な布地が出ないように注意が必要です。作業前に全身をチェックする習慣をつけましょう。
・手袋の着用ルールを確認し厳守しましょう
「手袋をしていれば安全だろう」という誤解は危険です。ボール盤や研磨機など、一部の機械では、軍手のような繊維性の手袋が機械に絡みつき、かえって手を巻き込まれるリスクを高めることがあります。
労働安全衛生規則(通称「安衛則」)では「ボール盤、面取り盤等の回転する刃物に手が巻き込まれるおそれのあるときは、手袋を使用させてはならない。(第111条)」とされています。作業内容に応じた適切な手袋を選び、着用ルールを厳守することが重要です。不明な場合は必ず現場担当者に確認してください。
・作業着・保護具は定期的に交換しましょう
どんなに高品質な作業着や保護具も、使い続ければ劣化します。ほつれや破れが生じた作業着、穴が開いたりゴムが伸びた手袋は、保護具としての機能を果たしません。むしろ、ほつれた繊維が機械に絡みつくなど、新たな危険を生む可能性もあります。定期的な点検と交換を怠らず、常に最良の状態の保護具を使用しましょう。安全は日々のメンテナンスから生まれます

2. 動いている機械に手をいれない

「ちょっとだけ」「慣れているから大丈夫」――この油断が、機械作業における最も危険な行為の一つです。動いている機械に手を入れることは、たとえ短時間であっても、取り返しのつかない事故につながります。
・トラブル時は作業を止めて現場担当者を呼びましょう
機械の異音、異常な振動、内部の異物混入、機械の故障など、トラブルが発生した際は、慌てて自分で対処しようとせず、必ず作業を停止し、現場担当者を呼びましょう。経験豊富な担当者であっても、動いている機械に手を入れることは極めて危険です。過去には、「作業に慣れたから大丈夫」と過信して機械に手を入れた結果、重傷を負った事例が多数報告されています。安全確保が最優先です。
・手を入れる際は必ず事前に電源を切りましょう
清掃や部品の調整など、やむを得ず機械の内部に手を入れる必要がある場合は、必ず事前に電源を切り、ロックアウト・タグアウト(LOTO)などの措置を講じて、意図しない再起動を防ぐことが重要です。電源を入れたまま手を入れると、機械が突然作動したり、予期せぬ動きをしたりして、挟まれや巻き込まれの原因となります。これは機械作業における最も基本的な安全ルールの一つであり、絶対に守らなければなりません

3. 体調管理も安全作業の重要な要素

身体的な疲労や精神的なストレスは、集中力の低下や判断力の鈍化を招き、操作ミスや手順間違いの原因となります。特に、機械作業のような集中力を要する業務では、体調不良が直接事故につながるリスクがあります。
・疲労を解消し、常にベストな状態で作業に臨みましょう
十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な休憩は、疲労回復に不可欠です。体調が優れないと感じた場合は、無理をせず、早めに休憩を取るか、現場担当者に相談しましょう。自身の体調を過信せず、常に安全に作業できる状態を保つことが、自分自身と周囲の安全を守ることにつながります。

  今日からできる安全対策

今日から現場で実践できる具体的な安全行動を以下にまとめました。

1. 作業開始前の「指差し呼称」と「安全確認」

・機械の点検: 作業開始前に、機械に異常がないか、保護カバーは適切に装着されているかなどを確認します。
・服装の確認: 袖口、裾、手袋など、作業着や保護具が正しく着用されているか指差し呼称で確認します。
・周囲の確認: 作業スペースに障害物がないか、他の作業員との距離は適切かを確認します

2. 「かもしれない」運転の徹底

•「この機械は止まっているかもしれない」ではなく、「この機械は動くかもしれない」という意識で作業に臨みます。
•「このくらいは大丈夫かもしれない」ではなく、「危険があるかもしれない」と常に最悪の事態を想定します。

3. ルール・手順の再確認と共有

・不明点は即座に確認:作業ルールや手順に少しでも不明な点があれば、自己判断せず、必ず現場担当者や上司に確認しましょう。
・ヒヤリハットの共有:事故には至らなかったものの、「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたりした経験は、貴重な事故防止の教訓です。積極的に報告・共有し、職場全体の安全意識向上に役立てましょう。

4. 5S活動の徹底

整理:不要なものを捨てる。
・整頓:必要なものをすぐに取り出せるようにする。
・清掃:職場をきれいに保つ。
・清潔:整理・整頓・清掃を維持する。
・躾(しつけ):決められたことを守る習慣をつける。
5S活動は、作業環境を安全に保つための基本です。乱雑な職場は、転倒や機械への接触など、様々な事故のリスクを高めます。

  まとめ

機械作業における安全は、日々の小さな意識と行動の積み重ねによって守られます。作業着の正しい着用、動いている機械への安易な手出しの禁止、そして体調管理。これらはすべて、皆さんの命と健康を守るための基本的ながら最も重要なルールです。
「自分には関係ない」「慣れているから大丈夫」といった油断は、見えない危険を招きかねません。常に「自分にも起こり得る」という当事者意識を持ち、一つ一つの作業に真摯に向き合うことが、無事故の職場を実現する鍵となります。

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