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労働災害発生のしくみ(安全ミニ通信307号)

更新日: 安全ミニ通信
日々の業務に追われる中で、「安全」について深く考える時間はどれくらいあるでしょうか?
「自分は大丈夫」「いつもやっていることだから」そう思っていても、労働災害は予期せぬ瞬間に発生します。
特に、新しい環境での作業や、慣れない業務に携わるスタッフの方々、そして現場の安全を管理する責任者の方々にとって、労働災害は決して他人事ではありません。
たった一つの不注意や見落としが、取り返しのつかない事態を招くこともあります。
このコラムでは、労働災害がなぜ起こるのか、そしてそれを防ぐために今日からできる具体的な行動について、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

  労働災害のメカニズムを知る

労働災害の多くは、「不安全な状態」と「不安全な行動」が重なることで発生します。
この二つの要素が揃ったとき、「まさか」の事故が現実のものとなるのです。

不安全な状態とは?

不安全な状態とは、作業環境や設備そのものが危険をはらんでいる状況を指します。例えば、以下のようなケースが挙げられます。

・通路に物が放置されている

 通路が狭くなったり、障害物があったりすると、つまずきや転倒の原因になります。

・照明が不十分な夜道
 暗い場所での作業や移動は、足元が見えにくく、危険を察知しづらくなります。

・整理整頓されていない作業場

 工具や部品が散乱していると、作業効率が落ちるだけでなく、落下や接触による事故のリスクが高まります。
・老朽化した設備や機械
 定期的な点検やメンテナンスが行き届いていない設備は、故障や誤作動を引き起こし、重大な事故につながる可能性があります。

不安全な行動とは?

不安全な行動とは、人が危険を認識せずに、あるいは認識していても行ってしまう危険な行動や判断のことです。
これは、個人の意識や習慣に深く関わっています。



・足元を見ずに移動する
 急いでいる時や、他のことに気を取られている時に起こりがちです。わずかな段差や障害物でも転倒につながります。
・保護具の不着用・不適切な使用
 ヘルメットや安全靴、保護メガネなどの保護具は、万が一の事故から身を守るための重要なものです。
 正しく着用しない、あるいは着用しないことは、自らの身を危険に晒す行為です。

・定められた手順を無視した作業
 効率を優先するあまり、安全手順を省略したり、自己流で作業を進めたりすると、予期せぬ事故を招くことがあります。
・速度超過の運転
 通勤中や業務中の運転で、急いでいるからといって速度を出しすぎると、危険な状況での対応が遅れ、事故のリスクが高まります。

 

  具体的な労働災害の事例から学ぶ

「不安全な状態」と「不安全な行動」がどのように重なり合って事故につながるのかを見ていきましょう。

業務上災害の事例:通路での転倒

 ・不安全な状態:通路に台車が放置されていた。
 ・不安全な行動:歩行中に足元を確認していなかった。
 ・結果:台車に足を引っかけて転倒し、手を打撲。

この事例では、通路に物を放置するという「不安全な状態」と、足元不確認という「不安全な行動」が重なることで事故が発生しました。もし台車が適切な場所に置かれていれば、あるいは足元をしっかり確認していれば、事故は防げたかもしれません。

通勤災害の事例:雨天時の転倒

 ・不安全な状態:雨に濡れたマンホールのふた。
 ・不安全な行動:急いで帰宅中、マンホールの上を歩いた。
 ・結果:足を滑らせて転倒し、腰部を骨折。


雨の日は視界が悪く、路面も滑りやすくなるため、普段以上に注意が必要です。
この事例では、滑りやすいマンホールのふたという「不安全な状態」と、急いでいたために注意が散漫になり、
滑りやすい場所を避けるという行動が取れなかった「不安全な行動」が重なり、重大な事故につながりました。

 

  今日から現場で実践できる安全行動

労働災害を防ぐためには、一人ひとりが日々の業務の中で安全意識を持ち、具体的な行動に移すことが不可欠です。

1.職場ルール・交通ルールを正しく守る

・ルールの徹底理解
 職場の安全ルールや交通ルールは、過去の事故や危険な状況から学び、作られたものです。
 なぜそのルールがあるのかを理解し、常に意識して行動しましょう。
・「だろう運転」「かもしれない運転」の意識
 交通ルールだけでなく、職場でも「だろう」ではなく「かもしれない」という意識を持つことが重要です。
 「もしかしたら危険があるかもしれない」と常に予測し、慎重な行動を心がけましょう。
・保護具の正しい着用
 ヘルメット、安全靴、保護メガネ、手袋など、指定された保護具は必ず正しく着用しましょう。
 保護具はあなたの命と健康を守る最後の砦です。

2.足元・周囲を確認する

・「指差し呼称」の習慣化
 危険な場所や動作を行う前に、「よし!」と声に出して指差し確認を行う「指差し呼称」は、注意力を高め、ヒューマンエラーを防ぐ効果があります。
 特に足元や通路の確認、機械の操作前などに活用しましょう。
・整理整頓の徹底
 通路や作業スペースには物を放置せず、常に整理整頓を心がけましょう。
 使った工具は元の場所に戻し、不要なものは速やかに片付ける習慣をつけましょう。これは「不安全な状態」をなくすための最も基本的な行動です。
・危険予知トレーニング(KYT)
 作業を開始する前に、その作業に潜む危険を予測し、対策を話し合うKYTは非常に有効です。
 一人で行うだけでなく、チームで共有することで、より多くの危険因子を発見し、対策を講じることができます。

3.作業中に身の危険を感じたときは現場リーダーまたは営業担当へ報告する

・「ヒヤリハット」の報告
 事故には至らなかったものの、「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたりする出来事を「ヒヤリハット」と呼びます。
 これは重大な事故につながる可能性を秘めたサインです。どんな些細なことでも、必ず現場リーダーや営業担当に報告しましょう。
 報告されたヒヤリハットは、今後の事故防止対策に活かされます。
・危険箇所の改善提案
 危険だと感じた場所や、改善が必要だと感じた点があれば、積極的にリーダーや担当者に提案しましょう。 
    あなたの気づきが、職場全体の安全レベル向上につながります。
・無理な作業はしない
 体調が悪い時や、集中力が低下している時に無理をして作業を続けると、事故のリスクが高まります

 少しでも不安を感じたら、休憩を取るか、周囲に助けを求めましょう。

 

  まとめ

労働災害は、決して特別な場所や状況で起こるものではありません。
日々の業務の中に潜む「不安全な状態」と、私たち自身の「不安全な行動」が重なることで発生します。
しかし、これらの危険因子を一つひとつ取り除き、安全意識を高めることで、多くの事故は未然に防ぐことができます。


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