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育児・介護休業法改正と派遣労働者|中宮先生によるお役立ちコラム【2025年11月号】

2025/11/06 コラム

2025年10月1日施行の育児・介護休業法改正では、子育て世代の働きやすさを一層推進するため、3歳以上小学校就学前の子を養育する従業員に対し、柔軟な働き方を可能にする措置を講ずることが義務付けられました。

また、選択した措置を従業員に個別周知・取得意向の確認をすることも義務付けられています。

改正の概要

1.柔軟な働き方を実現するための措置

3歳以上小学校就学前の子を養育する従業員を対象に、企業は次の制度の中から 2つ以上の措置を講じて、従業員がそのうち1つを選択して利用できるようにしなければなりません。

・始業・終業時刻の変更(フレックスタイム制、時差出勤等)

・テレワーク等(原則時間単位で月10日以上利用可)

・保育施設の設置運営等(ベビーシッターの手配・費用補助等を含む)

・養育両立支援休暇の付与(年10日以上、時間単位付与)

・短時間勤務制度(1日の所定労働時間を原則6時間とする等)

2.個別周知・意向確認

企業は、従業員の子が3歳になる前の定められた期間の間(おおむね子が2歳の間)に、制度内容の個別の周知・意向確認を行わなければなりません。
この個別周知・意向確認は、面談、書面、電子メールなどの方法で行うことが認められています。

3.個別の意向聴取・配慮義務

「仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮義務」は、企業が従業員一人ひとりの育児と仕事の両立状況を丁寧に把握し、柔軟な働き方を支援するための仕組みです。

妊娠・出産した労働者や、その配偶者が出産した労働者、または3歳未満の子を養育する従業員に勤務時間・勤務地・支援制度の利用希望などを個別に聴取し、事情に応じて配慮を行わなければなりません。

このように、10月改正では、従業員一人ひとりの状況を踏まえた制度設計・個別対応が法的義務として強化されます。

トーコーでは、「柔軟な働き方を実現するための措置」として、保育施設の設置運営等と養育両立支援休暇を選択しています。

派遣社員の「柔軟な働き方を実現するための措置」の利用は、派遣元に責任がありますが、派遣先が不利益な取り扱いをすることは労働者派遣法第47条の3で禁止されています。派遣社員の「柔軟な働き方を実現するための措置」の利用にご協力ください。



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<執筆者>

社会保険労務士法人ユアサイド
社会保険労務士 中宮伸二郎先生

2000年社会保険労務士試験合格。
2007年社会保険労務士法人ユアサイド設立。
2007年より派遣元責任者講習講師を担当し、労働者派遣や有料職業紹介などの人材サービスに詳しい。

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