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社会保険適用拡大、今後10年の変化は?|中宮先生によるお役立ちコラム【2025年10月号】

2025/10/07 コラム

2025年の厚生年金保険法改正により、今後、10年間で社会保険制度が大きく変わります。

今般の改正は、人生100年時代に対応し、公平で持続可能な制度とすることが目的です。
具体的には、短時間労働者や非正規雇用者への適用拡大、高齢者の就労支援、私的年金制度の拡充等を通じ、多様な働き方や家族形態に対応し、制度の公平性と安定性を強化するとされています。

①短時間労働者の適用拡大

現在、所定労働時間週20時間以上のパートタイマーを社会保険に加入させなければならないのは、51人以上の規模の企業ですが、2035年までにすべての企業で週20時間以上のパートタイマーを社会保険に加入させることになります。

▼適用拡大スケジュール

【2027年10月1日】 常時35人超

【2029年10月1日】 常時20人超

【2032年10月1日】 常時10人超

【2035年10月1日】 全企業

「常時〇人」は、短時間被保険者を含まない厚生年金の被保険者数を指します。
現在、厚生年金被保険者数25人、週20時間以上のパートタイマー15人の企業の場合、労働者数40名ですが、2029年10月1日から適用拡大の対象になります。

適用拡大に伴い、キャリアアップ助成金社会保険適用時処遇改善コースの拡充など適用拡大に対する支援策が講じられる予定です。

②高齢者の就労支援

2026年4月から在職老齢年金の支給停止開始となる収入基準額が51万円から62万円に引き上げられます。ただし、年金支給停止の計算基礎となる厚生年金保険の標準報酬月額の最高等級も65万円から段階的に75万円に引き上げられます。

▼引き上げスケジュール

【2027年9月1日】 68万円

【2028年9月1日】 71万円

【2029年9月1日】 75万円

③私的年金制度の見直し

iDeCo加入年齢の上限が70歳未満に引き上げられます。
また、2027年1月から会社員の掛け上限額が月2.3万円から6.2万円に引き上げられます。




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<執筆者>

社会保険労務士法人ユアサイド
社会保険労務士 中宮伸二郎先生

2000年社会保険労務士試験合格。
2007年社会保険労務士法人ユアサイド設立。
2007年より派遣元責任者講習講師を担当し、労働者派遣や有料職業紹介などの人材サービスに詳しい。

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