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動力機械の事件簿~機械内部に手を入れるな!~(安全ミニ通信258号)
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動力機械が引き起こす、危険と事例
熱動力機械は、私たちの業務効率を飛躍的に向上させる一方で、その強い力ゆえに、ひとたび事故が起きれば甚大な被害をもたらします。内部の異物除去や部品の取り外しなど、機械に手を入れる必要がある場面は少なくありませんが、その際に「動いている機械に直接手を入れる(近づける)」行為は、極めて危険です。数ヶ月から数年単位の治療を要する大怪我につながる可能性を、決して軽視してはなりません。実際に発生した二つの事例を見てみましょう。
事例1:木材加工機の回転刃に触れてしまったケース
ある現場で、木材加工機の刃を調整するため、停止ボタンを押した後にカバーを外し、刃の近くにあった木くずを取り除こうとした作業員がいました。しかし、停止ボタンを押してもすぐに回転が止まらず、惰性で回り続けていた刃に手のひらが接触してしまったのです。結果として、右手薬指の指先骨折に加え、手のひらの神経や血管の損傷も伴い、約100針を縫合する大怪我となりました。約3ヶ月間の休養と治療が必要となる、痛ましい事故です。
この事例からわかるのは、機械の停止ボタンを押したからといって、すぐに全ての動作が停止するわけではないという事実です。特に回転を伴う機械は、慣性によってしばらく動き続けることがあります。「完全に停止したことを確認する」という基本的な行動が、いかに重要であるかが分かります。
事例2:コンベアに手を巻き込まれたケース
別の現場では、コンベア内部にある異物に気付き、動いているコンベアのゴムベルトの隙間に手を入れて確認しようとした作業員がいました。その結果、ゴムベルトのローラーに右手を巻き込まれてしまうという事故が発生しました。この事故により、右前腕開放骨折という重傷を負い、骨折と同時に皮膚が破れて骨が体外に露出する状態となりました。骨が露出すると、骨髄炎などの細菌感染を引き起こすリスクが高まり、後遺症が残る可能性もあります。この事例では、全治1年と診断されています。
この事例は、「動いている機械に安易に手を出さない」ことの重要性を強く訴えかけています。異物の除去や確認作業は、必ず機械を停止させ、完全に安全な状態で行うべきです。一見すると小さな異物であっても、それを稼働中に取り除こうとする一瞬の判断が、命に関わる重大な事故を招く引き金となり得えます。
今日からできる安全行動
これらの痛ましい事例から得られる教訓は明確です。動力機械による事故は、適切な知識と行動によって未然に防ぐことができます。今日から現場で実践できる具体的な安全行動を紹介します。1.決められたルールを厳守する
各機械には、安全な操作のための「決められたルール」が存在します。これらは過去の事故や経験に基づいて策定された、いわば「命を守るためのガイドライン」です。面倒に感じたり、急いでいる時でも、必ずルール通りに作業を行いましょう。専用の道具がある場合は、それを正しく使うことも重要です。
2.作業前の電源オフと完全停止の確認
機械の清掃、調整、点検などを行う際は、必ず「作業前に電源をオフにする」ことを徹底してください。さらに、電源をオフにした後も、回転部分などが惰性で動いていないか、「完全に停止したことを目視で確認する」習慣をつけましょう。ロックアウト・タグアウトなどの安全措置が講じられている場合は、それらを確実に実施してください。
3.安全装置の無断解除は絶対にしない
安全カバーや赤外線センサーなど、機械には様々な「安全装置」が備え付けられています。これらは作業員の安全を守るために設置されており、決して作業の邪魔をするものではありません。作業効率を上げるためといった安易な理由で、これらの安全装置を無断で解除したり、取り外したりすることは絶対にやめてください。安全装置が正しく機能しているか、定期的な点検も怠らないようにしましょう。
4.服装や髪型にも細心の注意を払う
動力機械を扱う現場では、「服装や髪型」にも注意が必要です。袖口の広い服、だらりと垂れ下がったネクタイ、長い髪の毛などが、回転部分や可動部に巻き込まれる事故も発生しています。作業服は身体にフィットしたものを選び、長い髪は束ねるか帽子の中に収めるなど、巻き込まれるリスクを最小限に抑える工夫をしましょう。手袋の着用が義務付けられている場合は、適切な手袋を選び、巻き込まれにくいものを使用してください。
安全は「急がば回れ」の精神で
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