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【熱中症予防】3つの基本対策(安全ミニ通信308号)
毎年、夏が近づくと耳にする「熱中症」という言葉。しかし、「自分には関係ない」「大丈夫だろう」と軽く考えていませんか?実は、熱中症は誰にでも起こりうる身近な危険であり、特に屋外での作業や、エアコンが効きにくい環境での業務にあたる方々にとっては、命に関わる重大な労働災害につながる可能性があります。2025年には、なんと10万人以上もの方が熱中症で病院に搬送されており、その数は決して他人事ではありません。
熱中症は適切な知識と対策があれば防げる災害です。このコラムでは、現場で働く皆さんと、その安全管理を担う責任者の方々に向けて、熱中症から身を守るための「3つの基本対策」を、具体的な事例やアクションプランを交えながら分かりやすく解説します。今日から実践できる予防策で、危険な暑さから自分自身と仲間を守りましょう。

なぜ熱中症は起こるのか?現場に潜む危険と事例
熱中症は、高温多湿な環境下で体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かなくなることで発生します。特に、以下のような状況は熱中症のリスクを高めます。不安全な状態とは、作業環境や設備そのものが危険をはらんでいる状況を指します。例えば、以下のようなケースが挙げられます。
・高温多湿な環境
気温が高いだけでなく、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体温がこもりやすくなります。
体を動かすことにより体内で熱が発生し、体温が上昇します。
・水分・塩分補給の不足
汗をかくことで体内の水分や塩分が失われますが、適切に補給しないと脱水症状を引き起こします。・体調不良
睡眠不足、疲労、風邪などで体調が優れないときは、体温調節機能が低下し、熱中症になりやすくなります。
熱中症予防の基本は「こまめな水分・塩分補給」「暑さを避ける」「体調管理を心がける」の3点です。これらの対策を怠ると、どのような事態に陥る可能性があるのでしょうか。具体的な事例を想像してみましょう。
事例1:屋外作業での「うっかり」が招く危険
屋外で作業するAさんは、朝から強い日差しの中で作業を続けていました。「まだ大丈夫」と水分補給を後回しにし、休憩時間も惜しんで作業に集中。昼過ぎには頭痛と吐き気を感じ始めましたが、「もう少しで終わるから」と無理を続けた結果、意識を失い倒れてしまいました。幸い、すぐに発見され病院に搬送されましたが、一歩間違えれば命に関わる事態でした。
この事例では、「のどがかわいていなくても、こまめに水分をとる」という基本が守られていませんでした。のどの渇きを感じた時には、すでに体は脱水状態に傾いています。また、作業に集中するあまり、自身の体調変化に気づくのが遅れたことも問題です。
事例2:屋内でも油断できない!見落としがちなリスク
工場内で機械の点検作業をしていたBさんは、窓を閉め切ったまま作業を続けていました。工場内はエアコンが設置されていましたが、節電のために設定温度が高めにされており、換気も不十分でした。作業着も通気性の悪い素材だったため、汗がなかなか引かず、めまいを感じて作業を中断。幸い大事には至りませんでしたが、もう少し作業を続けていれば熱中症になっていたかもしれません。
この事例は、屋内だからといって熱中症のリスクがないわけではないことを示しています。「室温28℃を上回らないよう、エアコンの設定温度を調節する」という対策が不十分だったこと、そして「通気性・吸湿性のある素材の服」の着用が推奨される理由がここにあります。屋内作業でも、環境と服装への配慮が不可欠です。
今日から現場で実践できる安全行動
熱中症は、正しい知識と行動で確実に防ぐことができます。ここでは、3つの基本対策をさらに掘り下げ、現場で今日から実践できる具体的なアクションをご紹介します。1.こまめな水分補給・塩分補給を徹底する
・のどが渇く前に飲む
のどの渇きは脱水症状のサインです。渇きを感じる前に、1回あたりコップ1杯(約200ml)を目安に、20~30分おきに水分を摂りましょう。
汗をたくさんかいた時は、水分だけでなく塩分も失われます。塩あめやスポーツドリンクなどを活用し、意識的に塩分を補給しましょう。ただし、スポーツドリンクは糖分も多く含むため、飲みすぎには注意が必要です。
・水分補給に適さない飲み物
コーヒーや緑茶などのカフェインを多く含む飲み物、アルコールは利尿作用があるため、水分補給には適しません。これらを飲んだ場合は、別途水やお茶で水分を補給するようにしましょう。2.暑さを避ける工夫をする
・室温管理の徹底
屋外での作業は、できるだけ日陰を選び、帽子や日傘を活用して直射日光を避けましょう。休憩は涼しい場所でしっかりと取るようにしてください。
通気性や吸湿性の良い素材(麻、綿、ナイロンなど)の服を選び、体を締め付けないゆったりとした服装を心がけましょう。作業着の下に吸汗速乾性のインナーを着用するのも効果的です。
・クールスポットの活用
休憩には、エアコンの効いた休憩室や、近くの公共施設(図書館など)のクールスポットを一時的に利用するのも良いでしょう。
3.体調管理を心がける
・十分な睡眠とバランスの取れた食事
疲労は熱中症のリスクを高めます。日頃から十分な睡眠をとり、栄養バランスの取れた食事で体力を維持しましょう。
暑さに体を慣らすため、日頃からウォーキングなどの適度な運動を心がけ、汗をかく習慣を身につけましょう。
・体調不良時は無理しない
下痢や発熱、二日酔いなど、体調がすぐれない時は、無理をして作業をせず、勇気を持って休むことが重要です。責任者の方も、体調不良のサインを見逃さず、無理をさせない配慮が必要です。
・作業前の健康チェック
作業を始める前に、自身の体調を確認する習慣をつけましょう。少しでも異変を感じたら、無理せず周囲に伝え、休憩を取るなどの対応をしてください。
まとめ:安全は「自分ごと」から始まる
熱熱中症は、夏の現場に潜む最も身近で、かつ最も危険な労働災害の一つです。しかし、このコラムでご紹介した「こまめな水分・塩分補給」「暑さを避ける」「体調管理を心がける」という3つの基本対策を、一人ひとりが「自分ごと」として捉え、日々の業務の中で実践することで、そのリスクを大幅に減らすことができます。無事故で健康な夏を過ごすために、全員で熱中症予防に取り組みましょう。体調管理の詳細① 睡眠の質を高めましょう!(安全ミニ通信276号)
体調管理の詳細② 『食』で熱中症を防ごう!!(安全ミニ通信273号)
体調管理の詳細③ 【もう熱中症予防!?】『暑熱順化』で暑さに備えよう(安全ミニ通信296号)
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