NEWS お知らせ
労働安全衛生法改正で変わる高年齢労働者対策と実務ポイント|中宮先生によるお役立ちコラム【2026年3月号】
2026/03/10
コラム

2026年4月1日施行の労働安全衛生法の改正により、すべての企業に対し、60歳以上の高年齢労働者の労働災害を防止するための措置が「努力義務」として課せられます。
労働力人口の高齢化が進み、60歳以上の労働災害が増加傾向にあり、加齢に伴う身体機能の低下も被災の一因となることから、従来の安全対策だけでは不十分になりつつあるため努力義務化されました。
企業は、以下の5項目について実施可能な高年齢者労働災害防止対策に積極的に取り組むこととされています。
安全衛生委員会や労使の対話を通じ、現場の意見を反映した風通しの良い職場作りを進めることが重要です。
また、高年齢者の身体機能低下に伴うリスクを把握するため、災害・ヒヤリハット事例に基づくリスクアセスメントを行い、優先順位を定めた組織的・継続的な対策の実施が求められます。
リスクアセスメントを行う際は、厚生労働省の作成した「エイジアクション100」を活用することが考えられます。
設備面では、照度の確保、段差解消、防滑対策、保護具の徹底など転倒・墜落防止を図ります。
運用面では、短時間勤務等の柔軟な働き方の導入、ゆとりある作業スピードの設定、腰部への負担軽減、適切な休憩の確保が重要です。
特性に配慮したマニュアル整備や作業内容の見直しにより、安全な職場づくりを目指します。
法定の健康診断を確実に実施し、得られた結果は、個人の体力に合わせた作業割り当てや、職場環境の改善、労働者自身の体力維持向上に役立てる必要があります。なお、健康情報の取り扱いは、安全衛生委員会等で評価基準や情報管理のルールを定め、不利益な取り扱いを防ぐ配慮が求められます。
高年齢者に対する教育だけではなく、管理監督者等にも高年齢者の特性と高年齢者に対する安全衛生対策についての教育を行うことが望まれています。
熱中症対策、手すりの設置や段差解消などの設備改善、運動指導、健康増進対策にかかる費用の一部が、最大100万円まで補助されます。
労働力人口の高齢化が進み、60歳以上の労働災害が増加傾向にあり、加齢に伴う身体機能の低下も被災の一因となることから、従来の安全対策だけでは不十分になりつつあるため努力義務化されました。
企業は、以下の5項目について実施可能な高年齢者労働災害防止対策に積極的に取り組むこととされています。
1.安全衛生管理体制の確立等
経営トップが安全衛生方針を表明し、担当組織の指定や産業保健体制の活用を通じて実施体制を明確化します。安全衛生委員会や労使の対話を通じ、現場の意見を反映した風通しの良い職場作りを進めることが重要です。
また、高年齢者の身体機能低下に伴うリスクを把握するため、災害・ヒヤリハット事例に基づくリスクアセスメントを行い、優先順位を定めた組織的・継続的な対策の実施が求められます。
リスクアセスメントを行う際は、厚生労働省の作成した「エイジアクション100」を活用することが考えられます。
2.職場環境の改善
高年齢者の身体能力や認知機能の低下を補うため、ハード・ソフト両面での対策を優先順位をつけて実施します。設備面では、照度の確保、段差解消、防滑対策、保護具の徹底など転倒・墜落防止を図ります。
運用面では、短時間勤務等の柔軟な働き方の導入、ゆとりある作業スピードの設定、腰部への負担軽減、適切な休憩の確保が重要です。
特性に配慮したマニュアル整備や作業内容の見直しにより、安全な職場づくりを目指します。
3.高年齢者の健康や体力の状況の把握
労働災害を防止する観点から、企業、高年齢者双方が体力の状況を客観的に把握することが重要です。法定の健康診断を確実に実施し、得られた結果は、個人の体力に合わせた作業割り当てや、職場環境の改善、労働者自身の体力維持向上に役立てる必要があります。なお、健康情報の取り扱いは、安全衛生委員会等で評価基準や情報管理のルールを定め、不利益な取り扱いを防ぐ配慮が求められます。
4.高年齢者の健康や体力の状況に応じた対応
労働者の健康や体力の状況は加齢に伴い個人差が拡大するとされていることから、労働時間の短縮や深夜業の回数の減少、作業の転換等健康や体力の状況を踏まえて必要に応じ就業上の措置を講じることとされています。5.安全衛生教育
高年齢者に対する安全衛生教育は、高年齢者が自らの身体機能等の低下が労働災害リスクにつながることを自覚し、体力維持や生活習慣の改善の必要性を理解することが重要とされています。また、高年齢者が、再雇用や再就職等により経験のない業種や業務に従事する場合には、特に丁寧な教育訓練を行うこととされています。高年齢者に対する教育だけではなく、管理監督者等にも高年齢者の特性と高年齢者に対する安全衛生対策についての教育を行うことが望まれています。
エイジフレンドリー助成金
エイジフレンドリー助成金は、高年齢労働者の労災防止措置を実施する中小企業に対する助成金です。熱中症対策、手すりの設置や段差解消などの設備改善、運動指導、健康増進対策にかかる費用の一部が、最大100万円まで補助されます。

高年齢者の労災防止は、企業が果たすべき大切な役割であり、持続的成長の鍵です。
努力義務化を契機に、エイジフレンドリー助成金も積極的に活用し、高年齢者が安心して働ける継続的な安全対策を講じることが求められます。
<執筆者>
2007年社会保険労務士法人ユアサイド設立。
2007年より派遣元責任者講習講師を担当し、労働者派遣や有料職業紹介などの人材サービスに詳しい。
バックナンバーは こちら
努力義務化を契機に、エイジフレンドリー助成金も積極的に活用し、高年齢者が安心して働ける継続的な安全対策を講じることが求められます。
【関連記事】
派遣社員の労災発生時に必要な対応とは?|中宮先生によるお役立ちコラム
<執筆者>
社会保険労務士法人ユアサイド
社会保険労務士 中宮伸二郎先生
2007年社会保険労務士法人ユアサイド設立。
2007年より派遣元責任者講習講師を担当し、労働者派遣や有料職業紹介などの人材サービスに詳しい。
バックナンバーは こちら
求職者の方、企業の採用担当の方は下記メニューをご確認ください。
当社サービスに関するご相談・ご依頼がございましたら
お電話またはお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせ下さい。