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偽装請負とは?ペナルティと回避するポイント|中宮先生によるお役立ちコラム【2024年12月号】

2024/12/12 コラム

労働力確保の方法は、直接雇用以外に労働者派遣や請負(業務委託)による方法があります。

しかし、請負による労働力確保は、その活用方法が、直接雇用や労働者派遣と大きく異なることに注意が必要です。
活用方法を誤ると発注会社に対するペナルティもあります。

請負とは

請負とは、請負事業者に業務を委託するアウトソーシングの一形態です。

請負にすることにより、人材確保にかかる費用や労力、労務管理の負荷等が軽減されます。
一方で、請負事業者やその労働者に対して、直接業務指示を行うことはできません

発注会社が、請負事業者の労働者に直接業務指示を行うと、実質的に労働者派遣が行われていることになり、これを偽装請負といい、禁止される行為になります。
偽装請負の状態によっては、発注会社に対して労働契約申込みみなし制度というペナルティが課せられます。

労働契約申込みみなし制度

労働契約申込みみなし制度とは、派遣先等により違法派遣が行われた時点で、派遣先等が派遣労働者に対して、その派遣労働者の雇用主(派遣元等)との労働条件と同じ内容の労働契約を申し込んだとみなす制度です。

偽装請負は、実質的に労働者派遣が行われている状態であることから、違法派遣であり、労働契約申込みみなし制度の適用を受けます。

発注会社が、違法を知りながら派遣労働者を受け入れている場合、労働者が希望したら直接雇用しなければなりません。

偽装請負を防ぐために

偽装請負にならないためには、「労働者派遣と請負に関する区分基準(告示518号)」に基づき、環境整備を行う必要があります。
区分基準では、請負事業者に対して「労務管理上の独立」「事業経営上の独立」を求めています。

請負事業者が労働者に業務指示を行うことだけではなく、労働時間管理や時間外労働の指示、労働者の配置など、業務を行うために必要なこと全般を請負事業者が独立して行うことが求められています。

また、請負事業者が業務の処理について、民法、商法その他の法律に規定された事業主としてのすべての責任を負うこととされています。

請負を行う場合は、請負事業者がその業務を独立して引き受けることができるか十分検討する必要があります。
また、請負現場においては、発注会社の社員に対して、偽装請負にならないよう、やってはいけないことをあらかじめ指導しておく必要があります。


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<執筆者>

社会保険労務士法人ユアサイド
社会保険労務士 中宮伸二郎先生

2000年社会保険労務士試験合格。
2007年社会保険労務士法人ユアサイド設立。
2007年より派遣元責任者講習講師を担当し、労働者派遣や有料職業紹介などの人材サービスに詳しい。

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