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【2024年7月号】派遣継続に必要な抵触日延長の手続きとは?|中宮先生によるお役立ちコラム

2024/07/11 コラム

派遣労働者を継続して受け入れるためには、事業所単位の抵触日の延長手続きを適切に行う必要があります。

また、2024年は事業所単位の抵触日が集中する年です。2015年10月1日にこの抵触日の制度が設けられ、抵触日は3年ごとに延長するため、2024年10月1日が抵触日となる派遣先事業所が多数存在します。

事業所単位の抵触日とは?

事業所単位の抵触日は、派遣を受け入れることで直接雇用労働者のポストが減ってしまうことを防ぐ目的で設けられています。

そのため、事業所単位の抵触日を延長するためには、派遣を受け入れている事業所ごとに派遣先に直接雇用される労働者へ意見聴取することとされています
・派遣先の労働者の過半数で組織される労働組合がある場合 → 労働組合に対して意見聴取を行います。
・過半数で組織する労働組合がない場合 → 労働者の過半数を代表する者に対して意見聴取を行います。

意見聴取の実施時期

意見聴取は、抵触日の1か月前までに行わなければなりません。
2024年10月1日が抵触日の場合、9月1日までに行う必要があります。

意見聴取の手順

  ①通知

意見聴取にあたっては、次の2点を労働者代表等に書面で通知します。

・派遣受入可能期間を延長する事業所等
・延長しようとする期間

意見聴取の際に派遣受入開始時(派遣受入可能期間延長時)からの派遣労働者数、派遣先の無期雇用労働者数の推移に関する資料等、参考資料を提供すること、また、労働者代表等からの求めに応じ、部署ごとの派遣労働者数、各派遣労働者の受入期間等の情報を提供することが望ましいとされています。

  ②反対意見がある場合

労働者代表等から異議があった場合は、抵触日の前日までに、延長の理由等を説明します。
労働者代表等の意見を勘案して派遣受入可能期間の延長について再検討を加えること等により、過半数労働組合等の意見を十分に尊重するよう努めることとされています。

  ③記録の保存と周知

意見聴取の結果は、次の項目を書面に記載し、延長の日から3年間保存することが義務付けられています。
また、派遣先の労働者にその内容を周知しなければなりません。

・意見を聞いた過半数労働組合の名称又は過半数代表者の氏名
・過半数労働組合等に通知した日及び通知した事項
・過半数労働組合等から意見を聴いた日及びその意見の内容
・意見を聴いて延長する期間を変更したときは、その変更した期間

  ④派遣会社への通知

延長の手続を行った場合は、必ず派遣会社に新たな抵触日を書面等で通知してください。

期限までに延長手続きを行わなかった場合、3か月間派遣受け入れができなくなります。
意見聴取に必要な通知のサンプル書式等を提供しておりますので、お早めの手続をお願いします。

<執筆者>

社会保険労務士法人ユアサイド
社会保険労務士 中宮伸二郎先生

2000年社会保険労務士試験合格。
2007年社会保険労務士法人ユアサイド設立。
2007年より派遣元責任者講習講師を担当し、労働者派遣や有料職業紹介などの人材サービスに詳しい。

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