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【2024年2月号】派遣先で必要な苦情対応とは?|中宮先生によるお役立ちコラム

2024/02/08 コラム

派遣を受け入れる際には、必ず派遣元・派遣先双方に派遣社員の苦情申し出先を定めなければなりません。

苦情申し出先とは、受け入れている派遣社員の苦情を受け付け、対応に当たる担当のことです。

派遣社員の苦情のうち、ハラスメントなど派遣先に法的責任のあるものは、派遣先が主体的に解決に当たらなければならないと派遣先指針で定められています。

受け付けた苦情の対応

派遣先が受け付けた苦情の内容が派遣先の問題であり解決が容易なものについては、派遣元に連絡せず派遣先で解決しても問題はありません。

派遣元での対応が必要となる場合は、その内容を派遣元に通知し、連携して問題の解決に当たることになります。

また、派遣社員に苦情の申し出先を使い分ける義務はありません。
派遣先に派遣元の苦情を申し出ること、派遣元に派遣先の苦情を申し出ること、どちらも可能です。
そのため、派遣元で派遣先にしか対応できない苦情を受け付けることがあります。

例えば、派遣先職場でのハラスメントに関する苦情を派遣元で受け付けても派遣元では対応することができません。
そのような場合は、派遣元から派遣先にその内容を通知して、連携して解決することになります。

派遣先管理台帳の記載

派遣先は、派遣社員の苦情を受け付けた場合、派遣先管理台帳に苦情受付年月日苦情の内容処理状況を記録しなければなりません。派遣先管理台帳とは別に管理簿を作成し記録することも認められています。

苦情受付・処理状況の記録は、派遣終了から3年間の保存が義務付けられています。

不利益取り扱いの禁止

苦情を申出た派遣社員を不利益に取り扱うことは禁止されています。

苦情の申し出を理由に派遣社員の交替を要求したり、派遣契約の更新を拒んだりすることはできないことにご留意ください。


<執筆者>

社会保険労務士法人ユアサイド
社会保険労務士 中宮伸二郎先生

2000年社会保険労務士試験合格。
2007年社会保険労務士法人ユアサイド設立。
2007年より派遣元責任者講習講師を担当し、労働者派遣や有料職業紹介などの人材サービスに詳しい。

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